microformats の利点と欠点

メタデータのイメージ。

microformats は W3C や HTML5 とは異なる団体 microformats によって定義されるメタデータのフォーマットです(microformats" は、フォーマットそのものや団体のことを指します。)。 class や rel 属性によってメタデータをマークアップする点が特徴です。

microformats は特定の rel 属性や class を利用してメタデータを示します。 したがって、メタデータのための多くの記述を回避できるという利点があります。

例えば、著者情報を示すための hcard と呼ばれるメタデータが定義されていますが、これは次のコードのように記述されます。

<a href="authorinfo-url" class="fn url">Author</a>

microformats によるマークアップの例

もしも何かしらの装飾が必要であれば、そのまま class 名を活用すれば良いですから、ページの情報量を少なく抑えることができます。

一方で、メタデータ以外の class 名と識別しにくく、それがメタデータかどうかを識別するのが困難であるという欠点があります。 また、場合によっては class 名の重複には気を付ける必要があります。

さらに、rel="home" などの rel 属性を活用したメタデータの定義も推奨されていますが、これは HTML5 においては誤った構文となります。 rel 属性は、それを使える要素とその値が定められています。

Wordpress は microformats を採用している

microformats の利点は多くの Web サイトで導入されている Wordpress が採用している点にもあるでしょう (Wordpress 4.2 現在)。広く普及することは規格(フォーマット)にとっては大変有利です。

ただし、誤った構文が出力されることがあったり、 ユーザが多いゆえに、比較的古い出力形式が採用されている点に注意が必要です。 急激な路線変更が不可能になることは、大規模なシステムに共通する問題です。

Google は microformats の一部を採用している。ただし推奨されない。

Google は microformats の一部を構造化データとして採用しています。 概ね次の microformats が採用され、リッチスペニットや構造解析に利用されているようです(2015.06 執筆時)。

  • hentry
    • entry-title
    • updated
  • hCard
    • author
  • hRecipe
  • hCalenar

Google が採用していると思われる microformats

microformats は競合する他のメタデータのフォーマットと比較して、古くから存在し、Wordpress などでも採用されていることから、 検索エンジンも採用したのだと考えられます。(他に Yahoo が一部取り入れているようです。)

ただし、Google は schema.org の提唱するメタデータを採用するように推奨しています。 schema.org は、Google, Yahoo, Bing(Microsoft) などが共同で管理する団体です。 また schema.org が提唱するメタデータの記述形式、microdata や RDFa フォーマットは、W3C で制定されるフォーマットです。

検索エンジンを提供する各社が microformats のサポートを直ぐに止めることは考えられませんが、 今後は schema.org のメタデータを microdata フォーマットでマークアップ(記述)することがスタンダードになっていくと思われます。