canonical の設定例:ドメインの移行・分割されたページ

メタデータのイメージ。

ここでは canonical で異なるドメインを示すケースや、 canonical を分割されたページに設定するケースについていくつか紹介します。

canonical によって異なるドメインを示す

canonical は異なるドメインのページを示すことができます。 ただし、Google や、 Bing(Microsoft) によれば、 ドメインを移行する(= 新しいサイトへ誘導する)ような場合には、301 リダイレクトなどを活用したほうが良いとしています。

Handling legitimate cross-domain content duplication - Google Webmaster Central Blog Moving content? Think 301, not rel=canonical - bing blogs

"Handling legitimate cross-domain content duplication - Google Webmaster Central Blog" の内容を要約すると、 おおむね次の通りになります。

(1) 新しいドメインに移行するなら、基本的には 301 を推奨します。

(2) サーバ設定を編集することができない場合など、技術的に困難な場合には新しいドメインを指定した canonical が使えます。

(3) プロダクト情報などをリリースするケースなどは、canonical を相手のページに設定するべきか、相手と相談します。 (この質問はニュースサイトなどにおける情報の発信を想定していると思われます。企業レベルの契約が含まれるかどうか、と捉えても良いと思います。)

(4) canonical によって正規化する URL(異なるドメイン) を示したページに、rel="noindex" を指定してはいけません。 検索エンジンがページを適切にクロールして canonical を認識する必要があります。 (したがって、canonical を設定したページも、canonical によって示されたページも noindex を持つべきではありません。)

canonical を用いたサイトドメインの移行(引っ越し)について

canonical は異なるドメインの URL(ページ)を示すことができますが、それが有用かどうかは別の話であると思います。 例えば、リダイレクトであれば元のページへのアクセスをすべて新しいページへのアクセスに繋げることができますが、 canonical は検索エンジンが優先するべきページを示すだけです。アクセスそのものの転送はしません。

したがって canonical の設定が正しく反映されて評価されるまで、該当するページへのアクセスが減少する可能性があります。 元々持っていたページランクが維持されるかどうかも定かではありません。 Google らが推奨する 301 リダイレクトを活用できるのであれば、積極的に活用するべきでしょう。

分割されたページと canonical

アーカイブページの場合

特定の条件を満たすページを一覧するようなページ、一般にはアーカイブページと呼ばれる種類のページは、複数のページにまたがることが多いでしょう。 アーカイブページのトップページを示すように設定された rel="canonical" の設定は有効であると"推測"されます。 つまり、2 ページ目以降のアーカイブページに、1 ページ目のアーカイブページの URL を示した canonical を設定します。

<link rel="canonical" href="URL_Archivetop" />

2ページ目以降のアーカイブページに設定する canonical の例

一般に、アーカイブページは該当する新しいページが投稿される度に一覧する内容を変更します。 また、アーカイブページを開く条件によっては、一覧されるページの数や、アーカイブページのページ数にばらつきが出ます。

特定のアーカイブページのページ番号を示す URL を活用することはほとんどありません。 ページ内容が変更され、指定したページが含まれていない、期待する内容が示されない可能性があるためです。 具体的には「X カテゴリアーカイブ の N 番目のページへのリンク」は扱いにくいですね。

またアーカイブページのいずれのページも、"該当するページを一覧する" という趣旨のコンテンツであり、同一の目的を持ったコンテンツと言えます。

これらのことから、アーカイブページ 1, 2, 3, 4, … を検索エンジンやユーザに提供するよりも、 アーカイブページの先頭のページのみを提供したほうが有意義なのは明らかです。

1 つのコンテンツが連続する複数のページに分割されるとき

ある 1 つのコンテンツが多くの情報を持って居るとき、複数のページに分割して表示することは珍しくありません。 そのような場合には、例えば コンテンツURL/Page1, コンテンツURL/Page2 のように、1つのコンテンツに対して複数の URL が設定されます。

一般に、1ページ目と 2ページ目に含まれるコンテンツは、同じ話題ですが重複しません。 したがって 2ページ目以降のページで、1ページ目の URL を示す canonical を設定する必要はありません。 同じ分割されたページではありますが、アーカイブページとは異なる点に注意が必要です。

連続するページが、同じコンテンツであり、異なる内容を持つときは、 連続するコンテンツであることを示すために、rel="prev" または ```rel="next" を設定します。 (そして canonical を設定しません)

rel="prev"rel="next" はそれぞれ、連続するコンテンツの前のページの URL と次のページの URL を示すために使います。 prev または next は canonical とは異なる概念ですから、同じページに同時に設定することができます。

例えば、カテゴリA/コンテンツ-Page1, Page2…カテゴリB/コンテンツ-Page1, Page2… のように、 2 つの異なるカテゴリに、複数に分割された同じコンテンツが存在するとき、prev または next と、canonical を同時に設定します。

Reference