インストール直後に設定するべき WordPress の設定項目
WordPress には様々な設定項目がありますが、ページを追加したり画像をアップロードするよりも前に、 運用を開始した直後に設定するべき項目がいくつかあります。ここでは理由も添えて解説します。 運用開始後は変更が難しいものが多くあるので注意しましょう。
もしすべての設定項目についての情報が必要なら別の資料を参照してください。 特に、ここでは「投稿設定」と「ディスカッション」の設定については省略します。後から変更することが容易なためです。
目次一般
WordPress の設定に入るにはダッシュボードの項目 設定 を選択します。 サイトのタイトルやキャッチフレーズ、アドレスなどを変更することができますが、基本的には最初に設定したままで良いです。
使用されるテーマにも寄りますが、唯一確認するべき項目は キャッチフレーズ です。テーマによってはこのテキストがサイト上に表示されますし、 テーマやプラグインなどがメタデータ(目に見えないものの、情報として提供されるデータ)として利用されることもありますから、端的に短いテキストで設定しておくのが良いでしょう。
WordPress アドレスやサイトアドレスを、運用途中で変更することを強く推奨しません ほとんどの場合にインストール時に決定してしまいますが、これらは不用意に変更するべきではありません。
サイトアドレスを変更するべきでない理由は、このページの項目「後から URL を変更するべきでない理由」を参照してください。
表示設定
表示設定ではトップページやアーカイブページ(一覧ページ)で表示する投稿の数を設定することができます。
ここで特に重要な設定は検索エンジンでの表示の項目です。 WordPress の運用開始直後は 検索エンジンがサイトをインデックスしないようにするにチェックを付けることを強く推奨します。 ただし、一般に公開できる程度にコンテンツが整備されたときは、忘れずにこのチェックを外します。
検索エンジンやユーザの出入りを抑える
特別な設定をしない限り WordPress は運用を開始した直後に全面的に公開状態になります。 つまり、投稿されたコンテンツは 1 つもないし、デザインも整っていない状態のサイトが公開されてしまうことになります。
もしあなたのサイトを Google などの検索エンジンのシステム(ロボット・クローラーと呼ばれる類の物)が訪れたなら、 あなたのサイトには何の情報もないことを記録してしまいます。検索エンジンのシステムは後になっても繰り返しあなたのサイトを訪れますが、 できることなら何の情報も持たないサイトであることを伝えるべきではありません。 何も情報を持たないサイトは、検索結果の後ろの方に表示されてしまいます。
また、わずかにページやサイトの外観を整備した状態で検索エンジンのシステムが訪れた場合は、そのわずかなページを評価して、検索結果に表示するかどうかを考慮します。 ここで検索結果の一覧に表示されるようになると、十分にコンテンツが整備されていないページにユーザ(訪問者・閲覧者)が訪れてしまいます。
コンテンツが十分でないとき、そのユーザはあなたのサイトがあまり役に立たないと判断してしまう。 そして、ユーザが早期にあなたのサイトから離脱するなら、検索エンジンはあなたのサイトの評価を落としてしまいます。 その結果、検索結果の後ろのほうに表示されるようになっていきます。
これらの問題はコンテンツが充実し、検索エンジンが再訪問するたびに改善されていきますが、できるだけ防いだほうが良いでしょう。 特に検索エンジンではないユーザが訪れたとき、そのユーザに、あなたのサイトは役に立たないと判断されることは避けるべきです。
この問題を防ぐためには、先の 検索エンジンがサイトをインデックスしないようにするにチェックを付けることです。 そしてある程度コンテンツが充実したタイミングで、このチェックを外します(そうしなければ検索エンジンに掲載されないままです)。
メディア
メディアでは、アップロードした画像のサイズなどを調整することができます。
画像の大きさは投稿するときに選択することができる他に、テーマファイルなどが参照します。 例えば、テーマファイルが中サイズの画像を取得するように設計されていれば、ここに設定した大きさの画像が使われます。
画像の大きさは、あまりに大きいとファイルサイズも大きくなり、ページの表示速度を低下させます。適切なサイズを設定することが必要です。 また、公開されているテーマを利用するときは、そのテーマを有効にした時点でこれらの設定がすべて自動で行われることがあります。
どのような設定にして良いかわからないときは、標準の設定のままにしておきましょう。 ただし、次の項目「画像の高さ」を合わせて参照してください。
画像の高さ
ここに示している画像サイズの設定は標準設定のものではありません。 特に高さが 9999になっていることに注目してください。
例えば、サイズの上限が 1000px * 480px のとき、サイズ(幅x高さ)が 1000px * 1000px の画像をアップロードするとします。 そうすると、WordPress の中で生成される画像のサイズは、高さの上限に合わせて、480px * 480px になります。
特に高さの制限を設ける必要がない時は、画像の高さよりも幅を統一した方が見栄えが良くなります。 横幅を統一するように、つまり高さを基準に画像のサイズが変更されてしまわないようにするためには、 最大値 9999 を設定します。
高さの設定 9999 は、強く推奨するものではありませんが、多くの場合に推奨されます。
ファイルアップロード
特に重要な項目は ファイルアップロード の項目です。 特別な理由がない限り、アップロードしたファイルを年月ベースのフォルダに整理のチェックは外します。
理由はいくつかあります。
(1) 1つはこの機能が有効な時は、フォルダ(ディレクトリ)がサーバ内に沢山生成してしまう問題を防ぐためです。 微々たるものですが、可能な限りフォルダは少ないほうが良いです。
(2) フォルダを含めたファイルパスがその画像の URL になります。例えば sample.jpg
は、
http://サイトのURL/2015/10/sample.jpg
のようになってしまいます。URL は可能な限り短いほうが良いです。
(3) (2) の通り、URL に年月が含まれると、後から画像を変更したいときに困ります。 例えば、2015/10 にアップロードした画像と、変更のために 2015/11 にアップロードした画像は URL が異なります。 その画像を掲載している記事内に掲載されたリンクが、2015/10 の物だとすれば、その記事のリンクをわざわざ 2015/11 の物に書き換える必要があります。 変更する画像がいくつかのページでリンクされているときは、すべてのページのリンクを張り替える必要があります。 そのコストは甚大です。
「年月ベースのフォルダに整理」が有効な状態でアップロードされた画像は、その後に設定を無効化した後も、 年月ベースのフォルダに管理されたままです。つまり、URL は変化しません。その逆も同じです。
パーマリンク設定
パーマリンクとは、あなたのサイトにある各ページの URL です。基本的には投稿ページや固定ページの URL だと覚えておけばよいでしょう。 厳密には、WordPress のページにアクセスするための URL は実際にはいくつか存在し、その中でも特に、絶対に変化しない URL をパーマリンクと呼びます。
パーマリンクの設定は特に重要で、後から変更することは実質的にできないと考えて良いです。 変更するのが不安であればデフォルト のままで良いです。
ブログやアフィリエイトなどを目的に WordPress を運用するなら、 私はカスタム構造を選択し、/%post_id%/を入力することを推奨します。 最も短い URL で、ページタイトルなどの情報を更新しても影響が出ないためです。
日付が強い意味を持つ日記のような形式で WordPress を運用するなら、例外的に年月日の情報を含めても良いでしょう。 しかし多くの場合に URL 上に日付が分かるようにしておくことにあまり意味はないように思います。
カスタム構造にするべき理由
投稿名が含まれれば、そのページのタイトルや内容が変わった時に困ります。 URL は基本的には変更することができない、するべきではないためです。
また日本語のタイトルを入力すると、日本語の URL が設定され、URL が長くなります。 これを英語に翻訳して、半角英数で入力しなおす作業は面倒です。
月日や数字ベースでは冗長な文字列が含まれます。 また先の通り、URLで月日などが分かるべき状況はあまりないです。
投稿の id だけ URL で示すようにしておけば、最も短い URL が得られます。 また、プラグインの設定などで特定のページを指定するときは、多くの場合にはページの id を使って指定します。 URL からページの id が分かると、そういったプラグインを使うときに便利になります。
後から URL を変更するべきでない理由
サイトの URL やパーマリンクの設定は、特別な理由がない限り、後から変更するべきではありません。 なぜなら、他のサイトに掲載されたリンク、検索エンジン、SNS でシェアされたすべての URL が無効になるためです。
検索エンジンは用意されたツールなどを用いれば記録を維持することができますが、 他のサイトに掲載されたリンク、SNS などでシェアされたリンクなどは確実にすべて無効になってしまいます。 集客の機会を損ない、さらには検索エンジンからの評価も落ちる可能性があります。